インタビュー企画 vol.10
今回は、火縄銃男子こと佐野翔平 ( さの しょうへい ) さんにインタビューをさせていただきました!
佐野翔平さんは現在
・駿府(すんぷ)古式砲術研究会での演武をしている
・小学生向けに甲冑教室を開く
・火縄銃の射撃競技選手
・武士珈琲の販売
など沢山のことをやっていている方です!
そんなしょうへいさんに今回は、
・なぜ火縄銃を始めたのか?
・日本の文化を発信していきたい理由
について伺ってみました。
自分にとっては、目から鱗のような内容だらけでしたので読んだいただけると嬉しいです!
自己紹介
しょうへいさん、本日はインタビューのお時間をいただきありがとうございます!
早速ですが、自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか?
はい。初めまして。
火縄銃男子の佐野翔平 ( さの しょうへい ) と申します。
友人や日頃お世話になっている方たちからは『現代の武士』と呼ばれています。
理由は『火縄銃』を取り扱っているからです。
よろしくお願いいたします!
自己紹介ありがとうございます!!
火縄銃男子かっこいいです!!
では、これから色々と伺っていければと思います!
火縄銃との出会い・始めたきっかけ
初めにですが、どうやって火縄銃と出会ったか教えていただいてもよろしいでしょうか?
中学2年生の頃、僕の実家の近くで火縄銃の演武が見れるおまつりをやっていました。 そこで火縄銃の演武を見たのが初めての出会いでした。 そして、初めて火縄銃の演武を見た時に、歴史というのはしっかり繋がっているんだなと思ったんですよ。 それまでは正直、歴史上の話は今の生活とかけ離れ過ぎていて空想上の出来事なのかな?くらいの感覚でした。
でも実際に可動している火縄銃を見て、その音や火薬の匂い、空気の振動などを体験することによって、作り話などではなく、過去に存在していたことはちゃんと事実なんだと感じました。 そしてそれ以来、火縄銃をはじめ日本の歴史などに興味を持つようになりました。
なるほど!
空想であったものが、現実にある。
すごい体験ですね。
そこから、火縄銃を始める時はきっかけはあったりしたんですか?
はい。 中学2年生で初めて火縄銃を見て以来、毎年そのおまつりには通っていました。 そして21か22歳位だったと思います。その年はなぜか見ているだけでは居ても立っても居られなくなってしまったんです。演武が終わった後、鉄砲隊の方達を捕まえて「どこで習えるんですか?」って聞いてしまいました(笑)
最初は、鉄砲隊の方達には『なんだこいつは』みたいなリアクションをされました。 ただ、よほど自分の目がマジだったのか分からないですけど、「本気でやりたいと思うんだったらここに来なさい」と名刺をくれたんです。
すごい、行動力ですね。。。。
尊敬します!!
はい(笑) 後日、その名刺の連絡先に電話をしてアポを取り、直接伺って話を聞きに行きました。 その時には鉄砲隊に所属することとは何かを説明をしていただきました。 楽しいことから危険なことがあることまで包み隠さず話をしてくれました。
例えば、怪我をする可能性があることや、イベントが基本的に土日になるので、冠婚葬祭以外はプライベートな時間よりイベントが優先になる。というものでした。 僕は、それを聞いて「それでもやりたいです」と伝えて仲間に入れてもらいました。
実際にやってみて・心境の変化
ただ、始めたての頃は『人と違うことをやっていること』がかっこいいなと思っていました。つまり自己満足な活動をしていたんですよ。 だけど、色んな場所で演武をする中にお客さんから質問を受けることがありました。
「この歴史ってこういう話がありますけど、実際のところはどうなんですかね?」みたいな感じの質問がきて、僕はその質問に対してちゃんと答えられなかったです。
当時は、自分が好きなことしか興味が無く、歴史や火縄銃の専門家というよりは、ただ「歴史が好きな人」という感じでした。 例えば「サッカーが好きだからなんとなくやってる」ような感じです。 選手の名前やフォーメーションについては全く話せない。 ただ好きだからやっているだけ。
だけど、お客さんからしたら人前で演武をしている僕たち鉄砲隊はプロ。それを考えた時に、質問に答えられないというのはプロ失格であり、これからはお客さんが納得するような答えを返さなきゃいけないと思いました。 そして、自分自身が楽しいだけではなく、人前で演武をするからには技術も含め、歴史を伝えていく立場にならなければいけないんだな、と思ったんですよね。
お客さんから、教えてもらえたんですね。
素敵な話です。
火縄銃男子が語る火縄銃の魅力について
今回インタビューをさせていただいて、初めて火縄銃を現在も取り扱っている方が
いると知ったのですが、そんな火縄銃の魅力を伺いたいです。
それは人それぞれだと思いますね。 僕は当時の人の生き方に憧れを持っているので、当時の人と同じ物を扱えている状況に一番の魅力を感じます。
なるほど、少しピンと来ないのですが当時の方への憧れって具体的に言うとどのような感じですか?
例えば、戦国武将たちは何を選択するにも基本的に全て命懸けじゃないですか。選択を一つ間違えたら、自分の命だけではなく家族・部下だったりが死んでしまうっていう、要するにいろんな方の命を背負って生きている。
そして無理難題を押し付けられても、理不尽なことを言われても守るべき人を守るためにやる。 そういったところが、かっこいいなと思ったり憧れなんですね。
確かに、聞いていてなるほどと思いました!
ちなみになのですが、他にも火縄銃の魅力などってございますか?
うーん、殆ど昔の人の暮らしへの憧れなので極端なことを言ってしまえば僕が好きなのは火縄銃だけではないんですよね。 例えば、剣術・弓術・華道・茶道とかなどの日本文化に関連するようなことは全てに興味があるんですよね。
それらは、当時の人たちがやっていたことでもありますし、武士道であったり精神的なものは携われば見えてくる世界や考え方など同じになるんじゃないかなって思っています。
なので、当時のことに関わる、触れることによって昔の人考え方というか、同じ世界を見てみたい!という憧れがあります。
たまたま、火縄銃に出会えたことに感謝ですよ。
これからの挑戦〜旧東海道を回る?!
ちなみに、Twitterか何かでチラッと見たのですが旧東海道を回ってみるという企画もこのような昔の人の考え方に触れて見たいという思いで始める感じですか?
そうですね〜。
当時の人は、車や電車や飛行機などの交通手段がなかったのでその人たちと同じ大変さを味わってみたいなと思いました(笑) 多分、大変なのは大変だけれども、実際にやらなければどのくらい大変なのか分からないじゃないですか。
ちなみに、2021年9月1日スタートです!
確かに!確かに!
ちなみに、どのくらい歩くのに日数はかかるんですか?
一応予定では、23日間でいく予定です! でも、当時の人は14、15日で歩いていたみたいです(笑)
だからこれ、結構優しいほうです(笑)
旧東海道は、江戸時代の五街道の一つ。日本橋(中央区日本橋室町)から、三条大橋(京都市東山区大橋町)までの約513km。
https://gcy.jp/kkd/tokaido.html
しょうへいさんの一番やりたいことについて
ここから、一番やりたいことを伺いたいのですが何かございますか?
一番やりたいことは、日本の技術であったり精神だったり、日本独特の文化をこの先何100年も残していきたいということです。
これから先、グローバル化が今よりどんどん進んでいくと思います。恐らくですが、生活に関わっていくいろんな物の合理化が進んでいくと思うんですよね。
確かに、自然と身の回りのものが合理化されているのはとても感じます。
その中で、日本が日本であり続けるためにどうしたらいいのかというのを考えた時に、やっぱり日本独自の精神性であったり考え方が重要だと思いました。 例えば、「年長者を敬う気持ち」「謙遜する姿勢」「物を扱う態度」などです。
今の日本ではけっこう薄れてきてしまっているなぁと個人的に感じています。 そのような日本らしさが消えないように、日本の文化を100年以上先も残していきたいという目的にたどり着いたんですよね。
100年先も日本の文化を残すために出来ること
そうですね。こういった態度は、基本的にめんどくさいと考えてしまう自分もいるのでそう言った感じで自然と消えていくのかなと思いました。
では、その中でしょうへいさんはどうすれば100年後も文化を残せると思いますか?
それは、実際に触れてみることだと思います。 日本の独特な行事や風習などに触れることによって教養といいますか、文化として育まれていく物だと考えています。
周りに日本の文化がなければ、知るよしもないじゃないですか。 「知らない=存在しない」と一緒なんですよね。
確かに、「知らない=存在しない」は納得です。
その中で、しょうへいさんが火縄銃をする以外で現在日本文化を広げる活動などはされているんでしょうか?
はい! 例えば、伝統屋暁という伝統工芸品を販売したり、職人さんの応援をしているショップの運営をしております。 伝統屋暁は、職人さん達とタイアップをして伝統技術を取り入れたアクセサリーや日用品を販売してます。
このショップの目的は、少しでも職人さんたちの活動を知ってもらうことと、売上を還元したいという想いで立ち上げました。
また、YoutubeやSNSなどの発信ツールを駆使して日本文化の大事さなどに気づいてもらいたくて、きっかけになればいいなと発信活動をしています。
これは文化だけでなく全ての物事に置いて共通することですが、誰かがお金を使ったり、投資をしたり、応援したりなど、関わっていく人が1人も居なくなってしまったらいずれは絶対に消えて無くなってしまいます。 例えば、買う人が誰もいなくなったお菓子は生産中止になりますよね。
そうですね。言われてみると経済活動として回っていないものは全て消えている気がします。
日本人の悪いところは、〇〇である・それを変えるには
また、日本人の良くない傾向としては、すでに無くなってしまった後に「あれって良かったよね」って感じるところがあると思いますが、無くなる前に知ってよ!って思います。
これが文化の消えていく傾向の一つであると考えています。 良いと思っていたなら無くなる前に応援してください!と伝えたいです。
確かに、無くなった後に感じる大切さみたいなのはあります。
そう、それで実際に素晴らしい技術が無くなってしまった例があります。 最近だと、沖縄の首里城が火災で焼失してしまったニュースがありました。その時に「首里城良かったのにね」と思う方は沢山いて、再建のためにお金を集めたところすぐに目標金額は集まったんですよ。
ただ、お金は集まりましたが既に赤い瓦を当時の色で再現出来る職人さんはもういなかったんですよ。 だから、首里城はお金は集まったけど完全に焼失前の姿に再現することは出来ないんですよね。
ただこれは、首里城だけの話ではなくて山ほどあります。そして、僕は「あれって良かったよね」と思うだけではなく、今まさに消えてしまいそうなものに対して手助けをしたいという思いがあります。
だから、そういったものを発信して知らない人に気づいてもらいたいという思いで活動をしています。
自分たちに出来ること
ここまでしょうへいさんの話を聞いてみて、自分にも何か出来ないかなと思いました。
ただ、知識もあまりなくしょうへいさんから何かアドバイスはいただけないでしょうか?
ありがとうございます。 僕の都合で言っていいのであれば、僕と同じようなことをしてもらいたいです。 それは、発信活動に関わるとかでもいいですし僕と同じように火縄銃や剣術など技術を学ぶでもいいです。
もちろん、得意不得意はあると思いますがまずは日本文化に触れていただければ嬉しいです!
もし、「いきなりはちょっと」と思う人はまずは「知る」ことを始めていただければと思っています。身の回りにある物、例えばメガネなどのルーツを調べたりとか。
とにかく、身の回りのものからルーツを辿っていけば、それぞれ起源は必ずあるので、そこを突き詰めていくと「昔の人すげぇー」とか「昔の技術ってこんな感じなんだ」とか興味を持てると思います。 そして少し話は逸れますが、昔の人の暮らしを知ると、現代の暮らしがすごいイージーモードに感じます(笑)
なるほど!
早速自分も、身近な物のルーツを調べてみようと思います!
今回は、インタビューを受けていただきありがとうございました!
今回、火縄銃男子の佐野翔平さんにお話しいただいたことは普段気づきにくいことだらけでした。
特に、「知らない=存在しない」は確かにと思いました。
自分の周りでも、いつの間にかこれが消えたなって思うものが最近いくつもあります。
そう言ったものを、無くなる前に一度本当に無くなっていいものなのか考えてみることを今回のインタビューで学びました。
皆さんは読んでみて、どう思ったでしょうか?
感想いただけれると嬉しいです!
そんな、今回インタビューさせていただいた火縄銃男子こと佐野翔平さんの各種SNSは下記にあります!ぜひ、フォローお願いいたします!
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